研究課題
若手研究
通常食投与下でMC4R,Maid両遺伝子欠損マウスとMC4R遺伝子単独欠損マウスの雌を28週まで飼育すると、体重の平均値はそれぞれ66.3g、36.8gであった(P<0.001)。また両遺伝子欠損マウスは高度の内臓脂肪蓄積を認めたものの、肝脂肪沈着はMC4R遺伝子単独欠損マウスと同等であった。さらに、52週齢でも肝硬変や肝癌の所見は見られなかった。以上の結果より、Maid遺伝子欠損はMC4R遺伝子欠損マウスの脂肪細胞での脂肪蓄積を増加させるが、肝への異所性脂肪蓄積は増加させないことが明らかとなった。
Maid遺伝子は癌化や炎症に関係し、肝癌の発症にも関わることが知られているが、現在までのところ解明されていない部分も多い。本研究において脂肪細胞に作用し、脂肪蓄積を増加させうるという、今まで知られていなかった表現型に関与することが明らかとなった。MC4R,Maid両遺伝子欠損マウスは異所性の脂肪蓄積を悪化させない生理的な肥満であり、この機序の解明は肥満症の病態解明及び治療に有用である可能性がある。
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