研究課題
若手研究
近年心不全治療のターゲットとして、頸動脈洞にある圧受容器が注目されている。一方、圧受容器不全の発生には、動脈硬化が関与していると言われており、プラークがあることによって圧受容器不全を来すことが知られている。そこで本研究では、頸動脈内膜剥離術によって頸動脈プラークを摘出することが心機能に及ぼす影響を検討した結果、MIBG心筋シンチグラフィではH/M比が術後に上昇し、心エコー検査ではE/e’が下がることが分かり、心臓交感神経機能、左室拡張能が改善することを示した。
心不全の5年生存率は約50%と、未だに予後不良な病態であり、新規治療法の開発が望まれる。本研究では、頸動脈高度狭窄症例において頸動脈血行再建術を行うことによって心臓交感神経機能の改善、左房圧の低下を認めることが明らかになった。特に左室収縮能が保たれている心不全HFpPFの患者ではその恩恵を強く受ける傾向があり、今後の心不全治療の新たな選択肢となる可能性がある。
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