研究課題
若手研究
iPS細胞を使った再生医療は未来の医療として期待されており、近年iPS細胞から作製した組織細胞の有用性が臨床において検証され始めている。免疫細胞の一種であるT細胞もiPS細胞から作製することが可能であり、がんを始めとした様々な疾患治療への応用研究が進められている。応用に際した課題の一つとしてT細胞の作製方法の改善が挙げられる。本課題では様々な培養条件を検討することで、実際に臨床応用可能な材料と手法にてiPS細胞からT細胞を作製する方法の開発に成功した。
近年、遺伝子改変したT細胞を用いた新しい癌免疫療法が、特に血液がんで著名な効果をあげている。遺伝子改変T細胞を用いた免疫療法を広く普及させる為に、他人の細胞から遺伝子改変T細胞を予め作製しておき、必要なときにすぐに投与可能なT細胞製剤を開発する試みがなされている。iPS細胞から作製するT細胞はこの様な目的で使用するT細胞製剤の候補になると考えられる。本研究成果は今後のiPS細胞から作製したT細胞を臨床応用する上で基盤技術となる事から、遺伝子改変T細胞免疫療法の普及に貢献するものと思われる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Cancer Science
巻: 110 号: 1 ページ: 16-22
10.1111/cas.13892
120006547385
Cell Stem Cell
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