研究課題
若手研究
本研究は、レプトスピラの脂肪組織血管内への定着メカニズムの解明を目標とした。そのためまず、トランスポゾンを用いたランダム挿入変異による遺伝子組み換えレプトスピラライブラリーの作製を行った。これによって得られた遺伝子組み換えレプトスピラライブラリーを単離し、それぞれハムスターに対する感染実験を行った。この感染実験において病原性の低下した株を2種類見出した。それら変異株のトランスポゾン挿入位置を同定すると、1つは鞭毛の構成因子に、もう1つは走化性に関わる因子にトランスポゾンが挿入されていた。今後はこれらの因子が脂肪組織定着にどのように関わっているのか解明していく予定である。
レプトスピラ症は病原細菌レプトスピラの感染によって起こる人獣共通感染症(ヒト・動物に共に起こる感染症)の一つです。ヒトでは重症化すると、黄疸・肺出血・腎不全を伴うワイル病を引き起こし致命的です。これは感染早期に診断できれば抑えることができるのですが、迅速診断キットがないのが現状です。私たちは以前、レプトスピラが感染初期に脂肪組織血管内に定着することを見出し報告しました。本研究ではその定着メカニズムを明らかにし、迅速診断キットに応用することを目的としました。研究の結果、脂肪組織定着に関わる可能性のある分子2種を同定しました。今後これらが脂肪組織定着に関わるメカニズムを解明しようと考えています。
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bioRxiv
巻: - ページ: 410712-410712
10.1101/2020.12.08.410712
Mol Ther.
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