研究課題/領域番号 |
18K16254
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川島 雅央 京都大学, 医学研究科, 助教 (80766676)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脂肪酸 / 免疫チェックポイント / 乳癌 / 温度 / 代謝 / 低酸素 / ストレス応答 / 放射線治療 / 熱 / 免疫 / 脂肪酸解析 |
研究成果の概要 |
本研究では、乳がん臨床検体の解析で明らかになった、乳がん組織中の脂肪酸代謝と腫瘍免疫活性の強い相関の背景にある分子機構の探索を行った。結果、乳がん細胞において脂肪酸結合タンパクFABP7の発現が1)免疫チェックポイントの制御分子 PD-L1の発現を制御すること、2)単細胞からの増殖能を強く規定すること、3) 放射線照射や低酸素などの酸化ストレス耐性に関与すること、4)細胞の熱産生と温度調節に関与することが明らかになった。FABP7と腫瘍免疫活性は単純な1対1の相関関係ではなく、FABP7がストレス応答や熱代謝など多彩な生理機能に影響を与えることで腫瘍免疫の調節を行っていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FABP7が乳がん細胞の免疫反応、増殖能、幹細胞性、ストレス耐性、細胞温度など様々な機能を直接的あるいは間接的に制御していることが示唆された。特に、FABP7によるPD-L1の発現制御や温度制御との関連はこれまでに既報がない重要な発見であった。本研究で得られた知見を、今後乳がんの免疫療法の進歩にどのように繋げていくかについてはさらなる注意深い検証が必要であるが、乳がんの生物学に「温度と免疫と脂肪酸」という全く新しい概念を提示できたことは本研究の貴重な成果であると考えられた。
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