研究課題/領域番号 |
18K16323
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
及能 拓朗 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20722458)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 膵癌 / EMT / タイト結合 / FOXM1 / snail / claudin-1 / 低濃度グルコース培養 / 細胞内ミトコンドリア代謝 / 細胞内糖代謝 / 低グルコース濃度培養 / KLF4 / 糖代謝 |
研究成果の概要 |
膵癌は浸潤・転移の際に細胞形態を変える上皮間葉移行(EMT)の過程を経ており、EMTの制御は予後を改善する可能性がある。膵癌ではEMT誘導因子snailが細胞間結合因子claudin-1を減少させてEMTを促進する。一方、転写因子FOXM1はあらゆる癌で悪性化に関与しており、FOXM1とEMTの関係の解析が、膵癌のEMTの機序解明や治療法開発につながる可能性が考えられた。 本研究では、膵癌細胞でFOXM1を抑制すると、snailの抑制、claudin-1の高発現がみられた。膵癌細胞を低糖濃度培養するとFOXM1は発現低下しており、細胞内糖代謝の制御により膵癌のEMTが抑制されることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は化学療法・放射線治療などの集学的治療の発展により、個々の症例では手術可能となる症例が増えている。しかし、日本では5年生存率が7.7%と依然として予後が極めて悪い難治性癌であり、新たなメカニズムを介した治療法の開発が急務である。 本研究では、細胞内代謝、特に糖代謝の観点から膵癌の転写因子を抑制すると、膵癌の悪性化の指標である上皮間葉移行(EMT)を制御できた。この結果より、実臨床において糖代謝のコントロールによって膵癌の発癌予防や浸潤・転移などの悪性化の抑制につながる可能性が示唆された。
|