研究課題
若手研究
近年、胸腺上皮性腫瘍に対して免疫チェックポイント阻害剤の臨床試験が開始されているが、胸腺上皮性腫瘍の腫瘍内T細胞の腫瘍免疫応答に関する報告は認めない。胸腺上皮性腫瘍は胸腺上皮に由来し、様々な分化段階のT細胞が存在する。今回、胸腺上皮性腫瘍内のCD4, CD8 Single-Positive T(SPT)細胞に着目しT細胞機能を明らかにすることを目的とした。免疫プロファイリングのクラスター解析の結果、B3胸腺腫および胸腺癌Cは免疫チェックポイント分子の発現が高い群に分類された。サイトカイン産生能や癌細胞傷害能に関しても、B3胸腺腫および胸腺癌Cの腫瘍内T細胞で高い結果が得られた。
本研究の結果から、胸腺上皮性腫瘍の組織型と腫瘍免疫活性とに関連性が認められた。胸腺腫B3および胸腺癌Cでは腫瘍免疫活性が高く、免疫治療が有効となる可能性が示唆された。胸腺上皮性腫瘍に対する免疫療法の基盤となる治験が得られる結果となった。
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Sci Rep
巻: 10 号: 1 ページ: 4064-4064
10.1038/s41598-020-61053-8