研究課題/領域番号 |
18K16493
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
吉田 朱里 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40584777)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | TRPA1 / がん性痛 |
研究成果の概要 |
本研究ではがん性痛におけるTRPA1の役割を解明することを目的とした。雄性C57BL/6マウスの左足底皮下にLewis Lung Carcinomaを移植し作製した足底がん性痛モデルでは、経時的に腫瘍が増大し、自発痛の増強と、機械性および熱性痛覚過敏が生じることが明らかとなった。TRPA1遺伝子欠損マウスで作製した足底がん性痛モデルでは、野生型マウスと比較して腫瘍増殖および自発痛関連行動が有意に抑制された。機械性および熱性痛覚過敏は野生型マウスと同等であった。以上より、TRPA1は腫瘍増殖および腫瘍による自発痛に関連していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、がん性痛の末梢機序についてこれまで研究されていないTRPA1に注目した。結果、TRPA1遺伝子欠損マウスで作製した足底がん性痛モデルでは、野生型マウスと比較して腫瘍増殖および自発痛関連行動が有意に抑制されることが明らかとなった。TRPA1は主に末梢痛覚神経に発現しているため、TRPA1の機能抑制は中枢性の副作用のない鎮痛法開発につながる可能性が高い。TRPA1拮抗薬とオピオイドの併用により、オピオイドの投与量を減じても優れた鎮痛効果が得られ、かつ、オピオイドによる副作用を減じることが可能となりうる。これらはがん患者のQOL向上に大きく貢献すると考えられ、社会的意義は大きい。
|