研究課題/領域番号 |
18K16694
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 渡 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30648019)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / エクソソーム / プロテオミクス / 好中球 / 免疫細胞 / 腎癌 |
研究成果の概要 |
腎細胞癌由来のエクソソームタンパクがT細胞の制御に関与しているという仮説を立て、プロテオミクスにより腎細胞癌由来エクソソームで有意に高発現する106個のタンパクを同定した。それらにはT細胞の増殖抑制に関与するPAG1、LAIR1が含まれていた。Caki-2は両タンパクを高発現している細胞株であり、Caki-2から由来のエクソソームはCD4陽性T細胞の増殖を有意に抑制することを確認した。一方、両タンパクの発現が低いその他の腎癌細胞株由来のエクソソームでは表現型の変化は起こらなかった。腎細胞癌由来のエクソソーム中のPAG1、LAIR1がCD4陽性T細胞の増殖抑制に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は「腎細胞癌により、末梢血中免疫細胞の遺伝子発現プロファイルが変化する」、また、「腎細胞癌は癌特異的エクソソームを放出し、血管透過性を亢進する」こと、即ち腎細胞癌がエクソソームを介して癌微小環境を制御しうることを明らかにしてきた。近年、腎細胞癌に対する免疫療法が着目されているが、好中球に着目し腎癌細胞由来のエクソソームが免疫細胞の増殖を抑制し、エクソソームが今後免疫療法の効果を高めるための治療標的となりうること示した本研究の社会的意義は大きい。さらにプロテオミクスにより癌特異的なエクソソームタンパクを同定しており、今後さらにバイオマーカーへの応用や複合免疫療法開発など、臨床応用を目指す。
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