研究課題/領域番号 |
18K16712
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中島 信幸 東海大学, 医学部, 講師 (20580319)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 再生医療 / 骨格筋間質由来幹細胞 / 尿失禁 / サイトカイン / 間葉系幹細胞 / 尿道括約筋 / 骨格筋間質細胞 / 骨格筋由来幹細胞 / 体性幹細胞 / 前立腺癌 / 骨格筋幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、神経・血管・筋肉への多分化能を有する骨格筋由来幹細胞を用いた、尿道括約筋再生による尿失禁治療の早期臨床応用を目指したものである。骨格筋由来幹細胞そのものを用いた細胞移植と骨格筋由来幹細胞より分離・精製したサイトカインカクテルを幹部に注入あるいは貼付することによる尿失禁治療を想定し、ラットならびにミニブタを用いた移植の効果、安全性の検討を中心に研究を行う。
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研究成果の概要 |
大型動物としてブタを使用した研究では、ブタ骨格筋間質由来幹細胞は、マウス・ラットよりもヒトに近い系譜であることが明らかとなった。また、ブタスワイン白血球抗原の100%一致(兄弟間)および50%一致(親子間)のブタ同種移植実験では、50%および100%一致グループ間の治療効果に有意差は認めず、50%一致グループにおいて明らかな有害事象は認められなかった。この結果から、骨格筋間質由来幹細胞に対する免疫反応は比較的低いと考えた。また、ラット骨格筋間質細胞サイトカインを尿道括約筋損傷モデルラットに生体吸収性ハイドロゲルを用いて投与する研究により、サイトカインによる良好な尿道機能回復効果が証明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非免疫抑制下ブタ同種移植実験の結果、SLA50%および100%の一致による治療効果に差はなく、50%グループにおいて明らかな副作用は認めなかったことは、骨格筋間質由来幹細胞の免疫原性が低く、同幹細胞が、自家移植のみならず、同種移植にも使用可能であることを示唆している。また、尿道損傷モデルラットに対する生体吸収性ハイドロゲルを用いた骨格筋間質細胞サイトカイン投与による研究では、細胞そのもではなく、細胞が分泌するサイトカインによる機能回復効果が証明された。臨床応用の面で、サイトカイン投与は幹細胞移植と比較し、免疫拒絶や安全性の面からハードルが低いと考えられ、今後の展開が期待できる。
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