研究課題
若手研究
本検討では、尿検体を用いて男性の尿路HPV感染率をスクリーニングし、その感染部位について検討した。泌尿器科外来を受診した患者845例における総HPVおよび高リスク型HPV検出率はそれぞれ6.2%、3.1%であった。疾患別にみると、尿道炎患者において検出率が最も高かった。一方、尿道炎を除く730例で検討すると尿路性器癌の患者からのHPV検出率が有意に高かった。次に、尿路上皮癌患者135例を対象として、膀胱洗浄尿を用いて調査したところHPV検出率は5.2%であった。頻度は低いものの、男性の尿路にもHPV感染は生じており、尿路上皮癌患者の膀胱にもHPV感染が生じているものと推察された。
子宮頸癌の原因とされているヒトパピローマウイルス(HPV)は、性行為によって男女間を伝播することが知られている。そのためHPVの主な感染部位は外性器とされており、男性の場合、陰茎がHPV感染の好発部位であるとされてきた。本検討では、簡便に採取することができる尿検体を用いて男性の尿路HPV検出率に関する疫学調査を実施し、男性の尿路にもHPV感染が生じていることを確認した。特に尿道炎(性感染症)の症例、尿路上皮癌の症例において尿路HPV感染が生じていることを見出した。また、膀胱洗浄液を用いて検討することで、HPVが膀胱にも感染している可能性についても言及できた。
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