研究課題/領域番号 |
18K16734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中澤 成晃 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (80759530)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | IgA腎症 / 腎移植 / O型糖鎖 / 不死化B細胞下部 / IgAN / 不死化B細胞 / 異常糖鎖IgA / 不死化B細胞株 / O型糖鎖構造解析 / O型糖鎖構造 |
研究開始時の研究の概要 |
腎移植レシピエントおよびドナー患者の末梢血より末梢血単核細胞(PBMC)を採取し、先のEBウイルス含有培地上清を加えて、EBウイルスをtransfectionさせ、不死化B細胞株(Bリンパ芽球様細胞株:B-LCL)を樹立できた。さらに樹立した不死化B細胞株はFACSによりIgA産生B細胞株が樹立できた。この細胞株の培養液中IgAの糖鎖構造をHPA lectin ELISAを用いて解析したところ、各single cell cloneによってHPA結合レベルが異なることを確認した。現在、培養液中からNonobeadsを用いてIgAを抽出し、MALDI-TOF-MS解析の準備を進めている。
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研究成果の概要 |
患者由来不死化B細胞株を用いた糖鎖解析により、IgA腎症患者では、健常者と比べて有意にPNA結合性が低いことがわかった。これは、すなわちCore1O型糖鎖の多くにシアル酸が結合していることを意味していている。Core1にシアル酸を結合する糖転移酵素はST3GAL1であるが、IgA腎症患者では、健常者と比べてST3GAL1の発現が有意に上昇していた。そこで、ST3GAL1をターゲットとして不死化B細胞株のST3GAL1をKOすると、細胞表面のPNA結合性は健常者と同等なレベルまで回復した。これまで重要と考えられてきたHPAレクチン結合性に関しては、IgA腎症患者と健常者で有意差を認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IgA腎症にシアル酸が関連しているかについてはこれまでほとんど報告がなかった。本研究によりIgA腎症の病態においてST3GAL1が重要な役割を担っている可能性が示唆された。またこれまで難しかった不死化B細胞下部のシングルセルソーティングに成功し、現在疾患特異的なIgA糖鎖構造解析を進行中である。本研究によってST3GAL1をターゲットとした新規治療法の開発につなげれれば、難病疾患指定であるIgA腎症の治療法の開発に大きな光となる可能性がある。
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