研究課題
若手研究
腟の中に存在する細菌叢(フローラ)を解析することで、新たな早産の予防・治療戦略におけるターゲットを同定し、抗菌薬を用いた新規治療法を提唱する段階まで至ることができました。具体的には、腟内細菌叢解析と機械学習を組み合わせて、早産の原因となる絨毛膜羊膜炎(CAM)に関連する細菌20種を同定し、新しいスコアリング法を作成しました。ハイリスク(PCAM)と判定された群は、有意に妊娠延長期間が短く(中央値の差:13日)、3歳時の発達障害の頻度は有意に高い(PCAM: 28%, non-PCAM: 4%)という結果を得ました。CAMを予防・治療可能と推定される抗菌薬の組み合わせも同定しました。
妊娠婦人の子宮内感染は早産や胎児感染を引き起こします。感染を伴う早産例では、中・長期的な臓器障害を受けるリスクが高まります。本邦では、晩産化に伴うハイリスク妊娠率の増加や出生数の減少が深刻化するなかで、子宮内感染を予測し、適切に治療・管理し、一人でも多く健常な児を出生させることが強く求められています。本研究では腟内フローラを解析することで子宮内感染のリスクを診断できることを明らかにしました。ターゲットとなる細菌群を同定でき、治療薬の候補も見つけることができました。本手法でCAMを予測し、治療することができれば、早産リスクを低減できるだけでなく、発達障害等のリスクも減らせる可能性があります。
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Future Science OA
巻: Published online 号: 5
10.2144/fsoa-2021-0006
Reproductive Medicine and Biology
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