研究課題/領域番号 |
18K16907
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
葛西 善行 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60813889)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 細胞シート / 中耳再生治療 / ミオシン / ROCKインヒビター / カルシウムイオン / 作用機序の解明 / in vitro実験 / 再生医療 / トランスクリプトーム |
研究成果の概要 |
本研究では、まず安定して鼻腔粘膜細胞シートを作製する条件を検討した。従来の培地に加えてRho kinase inhibitor (ROCKi)を添加すると、十分量の細胞数を確保することができた。しかし、ROCKiが副次的に持つミオシンのリン酸化阻害作用も働いて細胞間接着が低下し、細胞シートに穴があく問題点が浮上した。そこで、ROCKi添加培地にCa2+を加えてミオシンのリン酸化を補填させると、細胞間接着強度が増し、細胞シートとして回収することができた。この細胞シートをコラーゲンゲル上に接着させて1週間培養して面積を測定すると、従来法よりも広く伸展しており、高い創傷治癒効果も期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鼻腔粘膜細胞シートはROCKiとCa2+の組み合わせは、上皮細胞シートの枚数を増加させるとともに、性質も向上させる培養条件を確立することに成功した。さらに、接着後初期の細胞シートは創傷治癒に働く可能性が高まり、作用機序の一部を解明できたと考えられる。ROCKiは生体へ投与された臨床研究もあるため、残留量や安全性を確認すれば、高い創傷治癒効果を持つ細胞シートとして移植にも用いられると考えられる。さらに、高い創傷治癒効果を持つ上皮細胞シートは、中耳再生医療だけでなく、その他のガンや腫瘍切除後の創傷治癒にも高い効果が期待でき、多くの再生医療に応用できると考えている。
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