研究課題/領域番号 |
18K17066
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大嶋 淳 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (30755450)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 歯学 / 微生物学 / 口腔細菌学 / 上皮間葉転換 / 口腔感染症 |
研究成果の概要 |
本研究では、主要な歯周病原性細菌であるP. gingivalisによって誘導される上皮-間葉転換(EMT)に着目し、歯周病原性細菌がもつ歯肉のバリア機能を破綻させる新規メカニズムの解明を目指した。結果として、P. gingivalis感染はβ-カテニンシグナルを介してEMTを誘導していることが明らかとなり、β‐カテニンと相互作用する核内転写因子としてはFOXO1が重要な働きを示すことがわかった。さらに、口腔常在菌の一種であるStreptococcus gordoniiはFOXO1の核内移行の阻害することによって、P. gingivalisによるEMT誘導を有意に抑制することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
P. gingivalisによる病的なEMTの促進は、歯肉上皮細胞の上皮としての特性を失わせることにつながり、歯肉の物理的・生物学的なバリア機能を大きく破綻させる可能性がある。したがって、本研究によって得られたEMT誘導機構における新たな知見により、P. gingivalisがもつ歯周病における病原性発現機序の新たな側面を明らかにすることができた。また、本研究を通じて明らかとなった歯周病原性細菌による病的EMT誘導に関わる分子(β‐カテニン、FOXO1など)を標的とした新規の創薬・治療戦略につながることが期待される。
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