研究課題/領域番号 |
18K17710
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐藤 江奈 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30811179)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 変形性股関節症 / WISH型股関節装具 / TUG / 生存曲線 / 筋力 / VAS / 全人工股関節置換術 / ROM / ハンドヘルドダイナモメーター |
研究実績の概要 |
装具療法の有効期間や装具療法の適応者を明らかにすべく、装具療法介入後の経過と装具療法中の股関節機能と歩行速度や筋力について検討した。 WISH型S字型股関節装具(WISH装具)は、股関節OA患者の股関節機能および機能的可動性を著しく改善することができる。しかし、ほとんどの患者はのちに手術を受けている。本研究の主な目的は、股関節OA患者に対する装具療法の有効期間について評価し、関連する予後因子を明らかにすることであった。手術をエンドポイントとして、装具の生存曲線を検討し、装具の使用期間と装具の使用期間に影響する患者の状態について検討した。予測因子として、年齢、身長、体重、BMI、Harris Hip Score、筋力、Timed Up and Go test(TUG)を評価した。その結果、26名の生存曲線から7年後も装具を使用しているのは約3分の1であると予想された。また、12ヶ月前後で生存曲線の急激な低下が見られた。13ヵ月以上の装具療法継続者と12か月以下の装具療法中断者の間には、装具療法開始時のTUG(装具非装着側での方向転換であるULI)の歩行速度に有意な差が認められた。装具療法の適応についての予測因子として、ULIでのTUGが示唆され、13か月以上の装具療法の適応について有意に区別するカットオフ値は9.5秒であった。以上から、ULIによるTUGがカットオフ値9.5秒、遅くとも10秒の場合、初期段階における装具療法の継続性についての予測因子となりうる可能性があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
股関節OA患者の股関節周囲筋力は股関節屈曲、外転、膝関節伸展筋力が、患側の筋力が健側に比べて有意に低下しており、股関節内転筋力は健側、患側とも同程度に低下していることが分かった。WISH装具による筋力への影響は、股関節外転筋力が、装具装着後3か月と6か月に健側程度の筋力の改善を認めたことから、WISH装具着用による歩行練習により、股関節外転筋力は装具装着後3か月以降で健側程度に改善することが明らかになった。WISH装具による筋力の改善は6か月までの間において、股関節外転筋力が3か月以降で改善することが分かった。以上から、装具療法による股関節周囲筋力への影響と変股症者の中期的な経過について明らかにすることができた。 装具療法を行った股関節OA患者は7年後も装具を使用している患者は約3分の1であると予想された。また、TUGにおいて患側が外回りで方向転換した場合のカットオフ値を9.5秒、遅くとも10秒とすることで、装具療法の継続を予測できる可能性があると考えられた。以上から、装具療法の有効期間や装具療法適応者の予測因子としてのカットオフ値を示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、装具療法における股関節への影響として、画像や主観的評価から検討してゆく。
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