研究課題
若手研究
本研究は、経頭蓋的静磁場刺激(transcranial static magnetic stimulation:tSMS)の効果および作用メカニズムについて検証した。ヒトを対象した研究では、一次運動野に対する静磁場刺激は刺激半球の神経活動抑制に加えて、対側半球の神経活動を一時的に高める作用を有し、半球間抑制にも影響を与えることが明らかとなった。マウス脳スライスを用いた基礎研究では、静磁場刺激により細胞膜の透過性亢進、神経細胞の発火閾値上昇を認めた。さらに、ラットを用いたin vivo研究においても、静磁場刺激はその直下にある脳領域へ抑制的に作用し、行動学的な変化をもたらすことが示された。
脳血管疾患のリハビリテーションの効果をより高める新規手法として注目されているのがニューロモジュレーションであり、経頭蓋的静磁場刺激(transcranial static magnetic stimulation:tSMS)はその一つである。基礎実験を通して経頭蓋的静磁場刺激が有する神経活動抑制効果の生物学的なメカニズムの一端を明らかとしたこと、健常成人に対する静磁場刺激が非刺激半球の神経活動を一時的に亢進させる作用を示したことは、脳血管疾患患者への臨床応用へ向けた研究資料として、学術的および社会的意義を有した成果であったと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Scientific Reports
巻: 11 号: 1 ページ: 5370-5370
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Neuroscience Letters
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