研究課題/領域番号 |
18K18138
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白松 知世 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (30750020)
|
研究期間 (年度) |
2019-02-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 音楽 / 質感 / 臨界期 / 聴覚野 / 和音 / 嗜好性 / 受容野 / 聴皮質 |
研究成果の概要 |
本研究は,音の質感の知覚および,選好性に関わる神経基盤の獲得メカニズムの解明を目指した.第一に,臨界期前後に,協和音または不協和音に曝露したラットで,二音和音の協和性に対する選好性と,聴覚野の応答特性を比較した.その結果,臨界期の和音曝露が,選好性や聴覚野の応答特性に影響した. 第二に,音楽のリズムの情報表現が,聴覚野の順応特性で説明できることと,動物モデルがヒトと同様に,音楽に対する同期運動を示すことを確認した.これらは,音の質感に対する情報処理の神経基盤は,順応といった生得的な神経特性に加え,生後の臨界期における聴覚経験を通して獲得した神経特性にも影響されることを示唆する.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
和音に代表される,音の質感の知覚能力を,我々が生得的に有しているのか,あるいは経験や学習によって後天的に獲得するのかは,これまで様々な分野で議論されてきた.心理物理学や神経科学では,生後間もない乳児や,音楽に接する機会のない地域の住民,動物モデルを対象として,和音の協和性の知覚能力や選好性とその神経基盤における,生得的要素と後天的要素の分離が試みられてきた.本研究は,後天的要素の検討において,感覚系の臨界期,すなわち,生後に受容した聴覚刺激に応じて神経回路が劇的に発達する時期と,臨界期以降の可塑性との区別を,動物モデルにより初めて試みており,当該分野の知見を大きく広げたと言える.
|