研究課題
若手研究
南極氷床の沿岸部からドームふじまでの約1,000kmのルート上にある約500点で、1991-2019年の表面質量収支を解析した。その結果、涵養量は氷床表面が比較的なだらかな場所で大きく、急傾斜の場所で小さいことがわかった。また,2009年と2011年は他の年に比べて涵養量大きい。観測領域では両年ともに総観規模擾乱による低緯度からの水蒸気輸送イベントが5回発生し,多量の降雪があった。本研究では,現地観測データから有意な積雪イベントを確認し,この地域の最近のマスバランス変化のメカニズムに関する新たな知見を得た。以上の成果をまとめ、査読付国際学術誌に投稿準備中である。
本研究でまとめた雪尺観測による表面質量収支は、沿岸部から内陸ドームを網羅し、比較的高い空間分解能で30年程度の長期間に及ぶ。このため観測データが比較的乏しい東南極DML地域においては重要なデータセットである。領域気候モデルや人工衛星観測による表面質量収支の検証を通して、現在気候下における南極氷床の表面質量収支の定量的評価に貢献することが期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
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The Cryosphere
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