研究課題
若手研究
本研究では、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を観測するためのドローンを開発し、秋田県大潟村上空においてCO2の鉛直分布観測を実施した。2018年から2019年までの約1年間の飛行観測結果をまとめ、夏季には上空よりも地上でCO2濃度が低く、それ以外の季節では濃度の鉛直勾配が小さくなる傾向であることが明らかになった。そのようなCO2濃度の鉛直分布の季節性には、地上の植生分布が深く関わっていることが示唆された。また、大潟村上空でドローンによる水平観測も実施してCO2濃度の水平分布データと気象データの解析を行い、各観測日におけるCO2濃度分布の形成要因を調べた。
上空の温室効果ガス濃度の鉛直分布を高精度で計測する方法は、観測機材を搭載して行う航空機観測やゴム気球に測器を吊り下げて行う観測等に限られているのが現状である。ドローンを用いて地上から高層にかけての温室効果ガスの鉛直分布を計測した例は非常に少なく、世界的にも珍しい試みである。本研究により高精度で濃度を観測することが実証されれば、手軽にCO2を測る方法としてUAV観測が普及し、地域スケールのCO2濃度分布や変動要因の解明につながる。また、将来、CO2以外の温室効果ガスや微小粒子状物質PM2.5、一酸化炭素等の大気汚染物質もUAVで観測できるようになり、大気観測の応用範囲が広がることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件) 備考 (3件)
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