研究課題/領域番号 |
18K18188
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
磯部 紀之 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 研究員 (10802986)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | セルロース / 堆積物 / 重液分離 / 有機物 / 深海 / 溶剤 / 酵素 / 多糖 / 抽出 / 深海堆積物 / 溶解 / 再生 / 海洋堆積物 / 深海底 / マッピング / 有機地球化学 |
研究成果の概要 |
暗黒の世界である深海では、光合成による有機物生産ができないため、深海生物の栄養源は海洋表層から沈んでくる有機物に頼ることになる。このとき、海洋表層から落ちてくる有機物量と実際に深海底で消費されている有機物量には大きなギャップがあることが知られていた。このギャップを埋めるもののひとつとして、難分解性結晶多糖であるセルロースが提案されていた。しかしこの仮説の裏付けに必要な「深海の底に溜まった泥のなかにどれくらいのセルロースがあるのか」を実際に測定する方法は存在しなかった。そこで本研究では、木質科学の知見を組み合わせて新たなセルロース抽出・定量方法を開発し、堆積物中のセルロースの定量を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セルロースを代表とする多糖とは単糖が鎖状に繋がったもので、生物が栄養源や細胞骨格として利用している。従来の海洋科学における多糖分析は、多糖を酸で切断して単糖にまで分解し、単糖の種類や個数からもともとの多糖を想像するという方法であった。しかし、この方法では同じ単糖からなる全く異なる多糖、たとえばセルロースとアミロースを見分けることはできない。本研究課題が達成したセルロース抽出・定量方法は、酵素により特定の多糖を認識して切断し、遊離した単糖から元の多糖を定量するため、確実にセルロースのみを定量することができる。この革新的な方法により、深海底の生態系理解に不可欠な海洋での多糖の動態解明が可能になる。
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