研究課題/領域番号 |
18K18225
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
江川 知花 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 主任研究員 (10765019)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 送粉ネットワーク / 生物多様性 / 外来植物管理 / 季節依存性 / 都市生態系 / ポリネーター / ファシリテーション / 外来植物 / 機能的役割 / 外来種管理 / 送粉昆虫 / 虫媒在来植物 |
研究成果の概要 |
外来植物が侵入先の生態系において送粉昆虫や虫媒の在来植物に対し正の作用をもちうるかを検証した。一部の外来植物種は開花期間が長く、floral unit当たりの花蜜糖・花粉量が多いため、花資源供給に大きく貢献していた。しかし、これらの外来植物は送粉昆虫に好んで訪花されてはおらず、送粉者の餌資源としての重要性は高くなかった。また、外来植物の開花密度と近傍で開花する在来植物の訪花数との間に正の相関はなく、外来植物が送粉者を誘引することで在来植物に益を与えているとはいえなかった。しかし、本研究により、外来植物では花資源量の豊富さが必ずしも送粉系における重要性に結びつかないという重要な示唆が得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
送粉昆虫の減少は世界的に重要な問題であり、その保全は喫緊の課題である。一般に花資源が豊富な植物はpollinator friendlyと考えられ、植栽が薦められてきたが、本研究により、外来植物の場合は、花資源量の豊富さが必ずしもpollinator friendlinessに結びつかない可能性が明らかとなった。一方、初夏および晩秋の一時期には外来植物への訪花が増える傾向が確認されたことから、外来植物は餌資源として常に重要ではないものの、季節依存的な役割を担っていると考えられた。これらの成果は、学術的な意義に留まらず、ポリネーターの保全や適切な外来植物管理に有益な情報となることが期待される。
|