研究課題/領域番号 |
18K18300
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 大阪経済法科大学 |
研究代表者 |
洪 ユンシン 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80751057)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 沖縄戦 / 米軍収容所 / 慰安婦 / 辻遊郭 / 戦時性暴力 / 構造的な暴力 / 飢餓 / 戦後民主主義 / 収容所 / 慰安所 / 強かん恐怖 / 性暴力 / 強姦恐怖 / カナダ / 占領 / ジェンダー / 沖縄 |
研究成果の概要 |
沖縄戦では、日本軍人、沖縄住民、朝鮮人が混在する形で米軍「収容所」に収容された。本研究では、沖縄戦における米軍収容所体験の意味をジェンダー視点で追究することによって、戦中と戦後の軍事暴力の連鎖を実証的に検証した。特に、カナダにおける日系「収容所」を視野に、「鉄条網なき強制収容空間」として既存の沖縄研究で取り上げられなかった宮古島の戦後直後の状況を分析した。本研究を通して、沖縄の収容所とは米軍の統治だけではない「移動」の自由を含む生活圏の問題として提起しなければならないとの点、さらに、収容所は米軍の管理のもと、沖縄住民、日本軍人、朝鮮人が同居するトランスナショナルな空間でもあった点を提起した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
沖縄の戦後意識を考える際に、沖縄戦体験を抜きにして考えることは出来ない。沖縄上陸と共に米軍が設置した収容所は、占領する側の米軍が住民を収容した側面だけでなく、米軍が意図したわけではないが、住民を日本軍から保護した側面を合わせ持つ。同時に、女性がはじめて参政権を得た沖縄社会の「民主主義」の場でもあった。国家や階級などによって綺麗に分類し切れない人々が集まり「戦後」をスタートした空間が沖縄の収容所であった。本研究は学術的には、収容所の中でも最も脆弱な位置に置かれた女性の体験を中心軸に分析したジェンダー研究の幅を拡張した点、社会的には占領が続くなかでの民主主義とは何かの問いとなり得る点で意義を持つ。
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