研究課題/領域番号 |
18K18553
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分5:法学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中川 丈久 神戸大学, 法学研究科, 教授 (10252751)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 法解釈 / 行政法 / 行政訴訟 / 訴えの利益 / ガバナンス / 民主制 / 公正 / 効率性 / リーガリズム / プラグマティズム / 最高裁判例 / 法解釈論争 / 域外適用 / 最高裁 |
研究成果の概要 |
行政法学は,行政法規の法解釈方法論を等閑視してきた。これに対し本研究は,裁判所の行政活動に対する立場性を時系列で解明するには(法律動学ないし法動態学),行政裁量の審査手法よりも法解釈の方法分析こそ重要であることを示すべく,日本の最高裁が採用してきた法解釈方法を,文理解釈,趣旨目的解釈(理論,仕組み,行政需要等)・立法過程史解釈,上位法適合解釈(憲法等)に4分類し,最高裁判決がどれをどう使ってきたかを逐一分析した。最高裁が法創造的な行政需要解釈に踏み切る条件は何か,最高裁は伝統法理へのこだわりがあまりなく,文理と仕組みによる透明性の高い解釈を通例とすることなど,日本の最高裁の特徴を描きだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の最高裁が行政法の解釈にあたり採用する方法を4つの種類に大分類し,主要判決がそれぞれをどう組み合せて使っているのかを整理した。その結果,たとえば,司法創造的な法解釈を生み出す「行政需要解釈」と呼ぶべき方法があり,最高裁がこれを使う条件は何かを明らかにした。 こうした分析を通して,裁判所の行政に対するスタンスの取り方は,行政裁量の審査ではなく,行政法規の解釈方法にこそ顕著に現れること,解釈方法に着目することで解釈の正当性を広い視点で議論したり,裁判所の思考変化を探知したりできることを示した。
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