研究課題/領域番号 |
18K18690
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
坪見 博之 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (70447986)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 感覚記憶 / 意識 / 実験心理学 / 脳波 |
研究成果の概要 |
本研究では、注意やワーキングメモリの容量が制約されているにも関わらず、「目の前のすべてが見える」と主観的に感じるメカニズムを検討した。主観的に見えている感覚の特徴は、物体が目の前にあるときはすべてが見え、物体が消えると速やかに見えなくなったと感じることにある。この特徴は感覚記憶が対応すると考えられる。そのため、本研究では感覚記憶の心理機序と脳機序を検討した。研究期間にコロナ禍が重なったため、脳機序を明らかにするための脳波データは限られたが、心理学実験によって、従来は0.5秒しか持続しないと想定されてきた感覚記憶が少なくとも1秒以上持続することを新たに見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究では、感覚記憶は0.5秒だけ持続すると考えられており、ほとんどの心理学の教科書に記載されるほど古典的な知見となっている。最近の研究では、刺激提示後0.5秒以上経過してからも情報が利用できることを根拠に、感覚記憶とは別の記憶貯蔵庫が存在するという提案がなされている。しかし、本研究の結果、感覚記憶は0.5秒より遥かに長時間持続することが示された。そのため、刺激提示後しばらく経過した後にも感覚記憶が利用されている可能性は高く、別の記憶貯蔵庫を想定する必要はないと考えられる。このように視覚記憶のモデルを構築する上で、感覚記憶の性質を明らかにすることは非常に重要であると考えられる。
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