研究課題/領域番号 |
18K18715
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
赤木 剛朗 東北大学, 理学研究科, 教授 (60360202)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 非整数階微分 / 非線形問題 / 発展方程式 / 異常拡散 / 多重スケール構造 / 多重スケール / 非整数回微分 |
研究成果の概要 |
本研究課題で得られた研究成果は大きく以下の2点に集約される。 (1) ヒルベルト空間に於ける非整数階(時間)微分を含む勾配流の理論を構築した。この結果は汎函数に凸性を仮定するいわゆる Brezis-Komura 理論と呼ばれる古典的な勾配流理論の非整数階微分版に相当するもので、それまで解の存在や一意性などの基本事項が未解決であった非整数階時間微分を含む偏微分方程式の研究に基盤を与えるものである。 (2) 領域上に制限された分数冪ラプラシアンと非実解析的ポテンシャルに対する勾配不等式を証明し、さらにそれを用いることで分数冪 Cahn-Hilliard 方程式の解が定常解へ収束することを証明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
拡散現象や相転移現象のような不可逆過程については、前世紀に物理学の古典論が確立し、その後、様々な現象の解析に適用されてきた。しかしその過程に於いて、古典論の予測から大きく逸脱する不可逆現象が多々発見されるようになり、古典論の見直しに対する強い動機をもたらした。ここで扱う非整数階微分や非線形拡散は古典論の修正に効果的であり、多くの注目を集めている。本研究課題の研究成果はそのような新しい構造を伴う数学的対象に対して、十分な汎用性と応用性を兼ね備えた理論を与え、この分野の研究に於いて1つの基盤となるものと考える。数学的基盤が整備されることで応用研究の土台が整い、広範な分野への波及効果が期待される。
|