研究課題/領域番号 |
18K18719
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 宏志 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00362583)
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研究分担者 |
吉川 仁 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90359836)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 数値解析学 / 並列計算 / 信頼性 / 科学・技術数値計算 / 数値解析 / ハイパフォーマンスコンピューティング |
研究成果の概要 |
大規模連立一次方程式の反復数値解法を例に,その並列計算の信頼性を論じた.数値解法の中には,逐次計算を念頭においたアルゴリズムも多く,逐次計算で収束する場合も並列制御なく並列計算をおこなうと結果が正しいとは限らない.このような問題点に対し,Gauss-Seidel法の場合に,理論的な視点から(1)並列数値計算の実行過程の数理モデル化,(2)並列計算が収束する十分条件の証明,(3)逐次計算では収束するが分散処理を明示せず並列計算を行った場合に解に収束しない例の構成をおこなった.また具体的な輻射輸送方程式の並列計算に適用し,得られた十分条件の実用性を確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数値計算は,現代社会を支える基盤技術であり,その理論的な信頼性の担保は必須である.従来,このような分野は理論数値解析学で扱われてきたが,昨今の急速な計算機ハードウエアの高性能化,特に並列計算環境の進歩との乖離も否めない.特に処理速度のみに着目して無秩序な並列化がおこなわれると,従来理論・手法では信頼性があったものが正しく動かず,数値計算が支える生活や技術開発の停滞が危惧される.この点に対し,本研究では数値計算の「正しさ」の枠組みを再考するとともに,大学学部教育での問題意識の提示,実用性,昨今のデータ科学における「再現性」との共通点など,多様な話題を包含する研究テーマである.
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