研究課題/領域番号 |
18K18763
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
道村 唯太 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80747006)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 光学浮上 / 光輻射圧 / 光共振器 / レーザー / 干渉計 / ねじれ振り子 / エンタングルメント / 巨視的量子現象 / フォトニック結晶 / 巨視的量子力学 |
研究成果の概要 |
光による輻射圧のみを用いて鏡を支持する、鏡の光学浮上の世界初実現に向けた実験と開発を進めた。ねじれ振り子を用いた原理検証実験を行い、浮上鏡に働く光の復元力の実測に成功した [Takuya Kawasaki et al., Phys. Rev. A 102, 053520 (2021)]。これにより、我々が提案した、浮上鏡を上下2つの光共振器によって挟むというサンドイッチ型の構成によって鏡を安定に浮上させることが可能であることが実験的に示された。また、高反射コーティングの応力やフォトニック結晶技術を利用した新しいアプローチで浮上鏡の製作を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鏡の光学浮上が実現できれば、プランク質量を大幅に上回るミリグラムスケールの鏡を環境から孤立させることが可能となる。こうした鏡を2つ用意し、標準量子限界に到達する感度で位置測定ができれば、2つの鏡の間の量子エンタングルメント状態を実現することができる。量子力学は微視的な世界で大きな成功を収めてきたが、重力が支配するような巨視的な領域での量子重ね合わせ状態は実現されていない。巨視的な世界でも量子力学は成立するのか、古典力学と量子力学の境界はあるのか、という素朴な問いに実験的に直接迫る新たな道を切り拓いたと言える。
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