研究課題/領域番号 |
18K19115
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
櫻井 伸一 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (90215682)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 高分子結晶 / 生分解 / ポリ乳酸 / 環境対応高分子材料 / 結晶化促進 / 液状添加物 / バイオ由来可塑剤 / 可塑剤 / 結晶化促進剤 / X線散乱 / 示差走査熱量測定 |
研究成果の概要 |
本研究では、液体状態の添加剤による結晶化促進の新概念を提唱する。通常、結晶化促進剤は固体状態で機能するので、液体状態で促進効果があるという結果は全く新規な現象である。Hoffman-Lauritzenの理論によると、結晶ラメラ中でのポリマー鎖の折りたたみが規則正しい場合は、臨界核の厚みが減少し、結晶化のエネルギー障壁も低下する。その結果、核形成が促進され誘導期が減少し、結晶ラメラの厚みの成長速度も増加し、結晶化速度も増大した。つまり、液状添加剤が1%程度存在する状態で結晶核が形成される際に、その添加剤分子がポリマー鎖の折りたたみをスムーズにするように作用したと説明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高分子材料をより機能的かつ有効なものにするために、結晶性の向上が求められているが、これまでに環境に悪影響を及ぼす固形の粒子状の添加剤が用いられてきた。本研究では、100%植物由来の液状添加剤をわずか1%添加するだけで格段に結晶化性能を向上させる結果が得られ、そのメカニズムを明らかにすることが出来た。用いた高分子材料も環境に優しい生分解性のポリ乳酸である。このように添加剤も環境に優しいため、100%環境対応型の高分子材料を提供することができたため、今後の環境問題解決に向けて有意義な指針を示すことが出来た。
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