研究課題/領域番号 |
18K19154
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
田中 克典 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (00403098)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 生体内合成 / 抗がん活性分子 / 人工金属触媒 / アルブミン / 糖鎖 / 高分子 / 有機合成化学 / 生体内合成化学治療 / 金属触媒反応 |
研究成果の概要 |
報告者は、糖鎖付加アルブミンの疎水性ポケットにルテニウム触媒を導入することで、生体内でも閉環メタセシス反応の触媒活性が保持されることを見出した。さらに、ヒトがん細胞に選択的に糖鎖付加アルブミン・ルテニウム触媒を導入して、強い抗がん活性を持つ天然物であるウンベリプレニンを触媒的な閉環メタセシス反応により「現地合成」し、治療することに成功した。報告者が開発した糖鎖付加人工金属触媒により、今後、細胞内や動物内で様々な抗がん活性を持つ天然物を合成したり、高分子を合成する手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題で実現した糖鎖付加人工金属触媒は、ルテニウム触媒にかかわらずあらゆる金属触媒反応に展開可能であると考えられる。金属触媒が狙った疾患のところで自在に利用できれば、これまで副作用や安定性の問題で使用できなかった薬理活性分子や創薬候補分子、あるいは診断分子を「現地合成」できる可能性が生まれる。報告者が提唱する「生体内合成化学治療」は、新しい分子を開発するのではなく、既存の分子を有機合成化学の視点で改めて見直す“分子ルネッサンス”であり、創薬や治療を改革すると考えられる。
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