研究課題/領域番号 |
18K19353
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
山尾 僚 弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (50727691)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 植物間相互作用 / 競争 / 協力 / 群集構造 / 近縁個体の認識 / 環境認識 / 分業 / 遺伝的類似性 / 遺伝構造 / 種内競争 / 種間競争 |
研究成果の概要 |
本研究では、協力の一つである分業の存在を検証すると共に、種間競争に対する分業が植物群集に及ぼす影響を評価することを目的とした。根分割栽培実験により、他種との競争に曝される集団外縁部のオオバコ個体は集団中央部のオオバコ個体にくらべて競争へ多く投資し、集団中央部の個体はより成長へ投資する事が明らかになった。さらに、個体群内の遺伝構造を変えたメソコスム実験により、オオバコ個体群内の遺伝的多様性が増加するとオオバコの生存率が低下し、他種が繁茂することが示唆された。これらの結果から、オオバコは種間競争に対して近縁個体と協力的にふるまい、その効果は植物群集の構造にまで波及しうることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の環境ストレスに対する適応は、進化生態学や植物生理生態学の中心的な研究テーマである。これまでは、個体単体の能力に着目して進められてきたが、本研究により、植物が他種植物との競争ストレスに対して、個体間の相互作用が重要な役割を果している事が示された。加えて、空間的な遺伝構造が植物群集に与える効果についても明らかにした。植物のストレス環境への適応において、個体間の相互作用がどのような役割を果たすのかについては殆ど明らかにされていない。今後、生理学分野や遺伝学分野とも連携しながら「植物の個体間相互作用に基づく環境適応」について明らかにすることが期待される。
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