研究課題/領域番号 |
18K19496
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山下 貴之 名古屋大学, 環境医学研究所, 客員教授 (40466321)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 表情 / マウス / 報酬 / ドーパミン / 運動野 / 大脳皮質 / 光遺伝学 / 洞毛 / 電気生理学 / 学習 / 感情表現 |
研究成果の概要 |
動物の表情を生み出す神経回路機構やその進化については理解が遅れている。そこで、行動タスクや特定神経活動の操作を用いてマウスの内的状態を人為的に操作し、その結果表出する様々な顔面筋の運動の変化を調べたところ、報酬予期と報酬獲得に伴い、マウスの洞毛や鼻に特徴的な運動が現れることが示された。報酬予測時と報酬獲得時の顔運動を司る神経回路は異なり、側坐核ドーパミンD1受容体発現細胞は報酬獲得時の顔運動には関わるが報酬予測時の運動には関わらない。ところが、大脳皮質一次運動野の神経細胞は両者の運動を司っており、報酬関連の顔運動を司る神経回路のより出力に近いノードを形成していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトでは感情が顔に表れることはよく知られている。ヒト同士のコミュニケーションにおいて顔表情認知は重要であるが、そもそも顔による感情表現がどのような進化的過程によって形成されてきたかについての確立された学説はない。痛みにより顔を歪めるなどの一部の表情はヒト以外の動物にも広く観察されるものの、動物の表情を生み出す神経回路機構やその進化については理解が遅れていた。本研究によってマウスの表情を司る重要な神経回路が明らかにされたことにより、新たな研究分野が創成され、動物の表情の制御機構のより詳細な理解や病態・進化についての研究が広く進展することが期待される。
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