研究課題/領域番号 |
18K19737
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大日向 耕作 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00361147)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 認知機能 / 脳 / 海馬 / 神経新生 / ペプチド / 糖尿病 / 認知症 / 神経疾患 / 高脂肪食摂取 / 高脂肪食 / 神経栄養因子 |
研究成果の概要 |
脳は独立性の高い臓器であるが、一方で、末梢環境に少なからず影響を受ける。実際、疫学調査により糖尿病は認知症の危険因子であることが判明し、末梢環境が脳機能に影響を及ぼすことが明らかになっている。そこで、糖尿病を誘発する高脂肪食をマウスに与えたところ、認知機能が低下することが明らかとなった。しかも、絶食時血糖の上昇が認められない短期間の高脂肪食摂取で認知機能が低下することが判明した。さらに、疫学調査から認知機能低下の有意な防御因子であることが判明している牛乳成分に着目し、認知機能の低下を抑制するペプチドを見出した(Nagai et al. FASEB J 2019)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疫学調査により判明した危険因子と防御因子に基づいて認知機能に影響を及ぼす外的要因を検討した。マウスに高脂肪食を1週間与えたところ、海馬依存的な認知機能低下が認められ、さらに、牛乳ペプチドの経口投与により、この機能低下が改善された。したがって、脳機能が末梢環境に強く影響されるとともに、末梢シグナルにより改善することが判明した。認知症予防では、神経細胞死が誘発される前の対策が重要であり、食品から機能分子を日常的に摂取できれば理想的である。したがって、これらの結果は、末梢環境に注目した食による新しい認知症予防の可能性を示しているといえる。加えて、新しい作用機構を解明し基礎科学の発展に寄与した。
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