研究課題/領域番号 |
18K19868
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮下 直 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50182019)
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研究分担者 |
三條場 千寿 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70549667)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | トキソプラズマ / 環境リスク / 景観生態学 / 捕食被食関係 / 牛舎 / 空間スケール / 感染症 / 景観要因 / ELISA / ノネコ / 感染経路 / 外来種 / 生態リスク / 食物網 |
研究成果の概要 |
ノネコの捕食で固有種が危機的状況に曝されている徳之島において、ノネコとクマネズミのトキソプラズマのELISA抗体レベルを調査し、景観環境要因との関連を明らかにした。牛舎の密度が高い景観では、ノネコとクマネズミの両方で抗体保有率が高かった。このパターンは、この島の牛舎が多い景観でノネコが多いという報告、および牛舎周辺のクマネズミの密度が高いというトラッピング調査と一致していた。感染に影響を与える景観要因の空間スケールは、クマネズミよりもノネコの方が広かった。空間スケールのこの違いは、両種で報告された行動圏のサイズとほぼ一致した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、世界自然遺産の候補地にもなっている南西諸島の徳之島において、トキソプラズマの終宿主と重要な中間宿主であるクマネズミの抗体保有状況と、それに与える環境要因を明らかにできた。特に、島の主要産業である肉牛生産の場である牛舎がトキソプラズマのホットスポットであることを解明した意義は大きい。牛舎ではネコは盛んに餌付けさているが、今後人間による餌やりをやめ、ネズミの個体数を制御するための管理が、人間の健康のリスクを減らし、島の絶滅危惧種を保護するために必要であるという提言ができた。外来種問題、希少種保全、人間の健康の維持を同時実現可能なインパクトある成果が得られた。
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