研究課題/領域番号 |
18KK0001
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
児玉 聡 京都大学, 文学研究科, 教授 (80372366)
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研究分担者 |
服部 高宏 追手門学院大学, 法学部, 教授 (00218504)
佐藤 恵子 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (10398456)
鍾 宜錚 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 講師(任期付) (10793672)
長尾 式子 北里大学, 看護学部, 教授 (40396700)
恒藤 暁 京都大学, 医学研究科, 教授 (70372604)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 終末期 / 東アジア / 生命倫理学 / ACP / 自己決定 / 終末期医療 |
研究実績の概要 |
本研究では、日本・韓国・台湾の終末期医療における共通の課題や優れた実践を明らかにし、これらをもとに望ましい死のありようを検討し、それを実現する体制の整備への道筋を示すことを目的とする。研究方法としては、終末期医療に関連する法律整備が進んでいる韓国と台湾を日本の比較対象とし、法制度の比較研究や医療従事者へのインタビュー調査や施設視察等を実施することにより、終末期医療の法と倫理の問題や臨床現場での課題の解明を行う。 2022年度は、新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、韓国や台湾における医療現地での査察等はできなかったものの、Covid-19と終末期医療に関する日本・台湾・韓国の比較研究を行い、さらにフランスや英国の状況に調査を広げることにも成功した。これらの成果は、第34回日本生命倫理学会における公募シンポジウム「パンデミックELSIの諸相: 日本と外国の政策比較を通じた検討」や児玉聡著『Covid-19の倫理学: パンデミック以後の公衆衛生』といった形で広く公表した。また、感染症の蔓延が若干緩和された2023年3月には、京都市にあるホスピスへも訪問することができた。これによって、実際の現場の人脈や知見を得ることができ、これらを踏まえた議論や検討の機会を設けることにも成功した。 また、月一回程度オンライン研究会を開催し、最新の研究動向について情報共有を図るとともに、質問紙調査について検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの蔓延により、海外からの研究者の招聘やシンポジウムの開催は取りやめざるを得なかったが、日・台・韓・英・仏における国際比較を進めシンポジウムを開催したほか、視察を行うことにも成功し、広く議論を喚起することができた。この成果は、児玉聡著『Covid-19の倫理学: パンデミック以後の公衆衛生』において一般に公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、昨年度までの研究を引き継ぎながら、以下の点をめぐって研究を行う。 1. 韓国と台湾の法・ガイドラインの日本語訳を進める。加えて、英国などの諸国の法制度の特徴を広く発信することに努める。 2. 1に付随して、世界的な大流行を見せたcovid-19に関して、各国が定めた感染症法について比較検討を行い重要な倫理的問題を析出する。また、以上を基に、ポスト・パンデミックの世界において、再度訪れうるパンデミックへの備えとして、どのような制度や対策が求められるのかについても検討を行う。 3. 昨年度までに得られた、アドバンス・ケア・プランニングに関する台湾の特徴と日本の特徴の比較に基づいて、アジアの文化的背景に根差した終末期医療の在り方について理解を深めるとともに、広く一般に発信する。 4. グリーフ・ケアやスピリチュアル・ケアといった、「望ましい死」に密接に関連する実践に目を配り、日本・韓国・台湾における死生観を巡る異文化理解を深める。 上記については、研究代表者が統括し、また、研究分担者、海外の共同研究者、研究協力者との情報共有については、ウェブ会議システムを用いて月1度を目途に研究進捗状況の報告を行う。
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