研究課題/領域番号 |
18KK0169
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 洋一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50463881)
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研究分担者 |
中島 大賢 北海道大学, 農学研究院, 助教 (70710945)
深野 祐也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70713535)
藤田 大輔 佐賀大学, 農学部, 准教授 (80721274)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | イネ / 直播稲作 / 直播栽培 / 気候変動適応 |
研究実績の概要 |
直播稲作ではイネ収量は移植稲作と比べて一般に低い。それにもかかわらず熱帯アジアでは直播稲作が広まりつつある。農家による直播稲作の選択要因の1つとして植付期の用水不足リスクへの適応が考えられる。そこで、直播と移植が混在する小規模灌漑水田地域例として東ティモールに着目して、直播栽培の分布特性と農家の作物管理の特徴を調査した。東ティモール国ボボナロ県マリアナ郡の灌漑地区全域の圃場水田(1400 ha超、計33000筆以上)について水路の状況と土地利用と稲作栽培様式(直播・移植)を悉皆調査した。当該地域の水田は、他の東南アジアの多くの(補助灌漑のある)天水田地域と同様、雨季は主に稲作利用、乾季は主に畑作利用または休閑となっていた。雨季稲作の実態は直播は58%、移植は42%であったが、支線水路が長いほど、また末端水路が長いほど直播の割合が高まる傾向にあった。また、農家聞き取り調査から直播栽培農家は移植栽培農家よりも施肥回数が少ない一方で除草剤の散布回数が多いことが明らかとなった。直播栽培では総施肥量がイネ収量へ影響していた。播種後の除草剤散布が遅れる水田ほど収量が低く、直播における除草時期と除草方法の重要性が確認された。続いて、農家水田において施肥管理に関する直播栽培試験を行った。その結果、ある程度の圃場の水環境の違いは施肥管理の効果に影響せず、農家の慣行より窒素投入量を50 kgN/ha程度増やすと、基肥のタイミングによらず直播水稲の収量が向上することが示唆された。一方で、施肥量を増やさずに76 kgN/ha程度の窒素投入量で栽培する場合は、播種後25日頃まで基肥を遅らせることが効果的であると推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による渡航制限の解除が始まり、現地調査や現地試験が一定進んだが、それでも当初予定よりも研究の取りまとめが若干遅れている。コロナ禍がらほぼ完全に通常状態に戻る2023年には取りまとめが完了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
熱帯アジア直播水稲栽培の現地共同研究の取りまとめを行う。アジア・オセアニア圏の直播稲作の研究課題と技術革新に関して総説(国際共著)を完成させる予定である。
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