研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
日本に未だトキソプラズマが存在し、依然として先天性・後天性トキソプラズマ症を発症し、毎年のように流産・死産・死者が出ていることが判明しているが、分離された日本のトキソプラズマ原虫の性状が全く分からないことが、日本におけるトキソプラズマ症に対する総合的対策を阻む主な要因の一つであった。日本のトキソプラズマの系統分類や病原性などの寄生虫免疫学的な性状を理解する手段として、日本とは遠く離れた北米・欧州産の標準株との比較に加えて、中国由来のトキソプラズマとの比較でき、そのゲノム構造が明らかとなった。また中国側との共同研究によりiNOSの新しいトキソプラズマー宿主免疫相互作用が明らかとなった。
欧米や申請者のグループから見れば、中国や韓国研究グループは基礎研究力が依然として低いため、アジア由来のトキソプラズマは材料が極めてユニークであるにもかかわらず、その素材のポテンシャルを十分に引き出せていなかったが、本共同研究によりそのポテンシャルを引き出すことができた。また、北朝鮮情勢など歴史的激動期を迎えつつある昨今の東アジア情勢を考えると、地理的だけなく、歴史的にも恩讐含めて極めて繋がりが緊密な日本・中国・韓国の3か国が手を携えて行う本国際共同研究は、単に寄生虫学という医学生物学研究の範疇を超えて、民間親善外交の一翼を担い、我が国の国益にも十分利した。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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