研究課題/領域番号 |
18KK0350
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
久保 慶一 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30366976)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 戦争犯罪裁判 / 戦犯裁判 / マスメディア / 世論 / セルビア / コソヴォ / ボスニア / 戦争犯罪 / メディア / 国際刑事裁判所 / 裁判 / 移行期正義 / 計量テキスト分析 / 旧ユーゴスラビア / 世論調査 / 新聞記事 / 戦争責任 / 国際刑事裁判 / フレーミング / 紛争後平和構築 / テキスト分析 |
研究成果の概要 |
本研究は、旧ユーゴ地域における移行期正義について、2つの先端的な方法により、国内メディアにおける言説や市民の認識(の変化)を分析することを試みたものである。セルビアの新聞記事データを用いた計量テキスト分析からは、新聞紙のイデオロギー的傾向や与党の党派性が報道トーンに影響を与え、また国政選挙前の期間やセルビア人の戦争犯罪被告人の拘束後には民族主義的なトーンが高まることなどが明らかとなった。セルビア人市民を対象としたサーベイ実験からは、コソヴォ特別法廷の活動が、国際的な戦犯裁判に対するセルビア人の不信感や不公平感を緩和し、戦犯裁判一般に関するセルビア人の評価を高めることを示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
旧ユーゴ地域における戦争犯罪行為に対する移行期正義の取り組みについてはこれまでの多くの研究がなされてきたが、体系的なデータに基づく研究は少なかった。本研究は、このテーマについてこれまで国際的に見ても先行研究で適用されてこなかった計量テキスト分析やサーベイ実験の手法を用いて、裁判の実施やそのための被告人の拘束といった政府の対応が国内メディアの報道トーンや市民の認識にどのような影響を与えたかを明らかにすることができ、大きな学術的意義があったと考える。また、各国政府や国際社会の政策、取り組みの影響に関する知見には重要な政策的含意があり、本研究の成果は社会的意義も大きいと考える。
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