研究課題/領域番号 |
18KK0377
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 名古屋大学 (2020-2023) 東北大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
水口 将輝 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (50397759)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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キーワード | スピンカロリトロニクス / スピンエレクトロニクス / テラヘルツ波 / ネルンスト効果 |
研究開始時の研究の概要 |
超短パルスレーザーを用いたスピンダイナミクスの研究手法を取り入れることにより、スピンカロリトロニクスを基軸とした高効率テラヘルツ波の発生機能の開拓を目指す。成熟期に入ったスピントロニクスの発展分野の一つとして、電流・スピン流と熱流との相関を取り扱う「スピンカロリトロニクス」とよばれる新しい研究が注目を集めている。この分野で注目されている異常ネルンスト効果を基軸とした、全く新しいテラヘルツ波の発生原理を実証し、その高効率化を図る。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、超短パルスレーザーを用いたスピンダイナミクスの研究手法を取り入れることにより、全く新しい物理概念に基づいたスピンカロリトロニクス現象を創出することである。FePt薄膜にパルスレーザーを照射し、異常ネルンスト効果の時間分解測定を行った結果、高速な異常ネルンスト効果を観測することに成功した。また、Pt / FePt 二層薄膜にパルスレーザーを照射することにより、テラヘルツ波の放射を観測し、複数の物理メカニズムがテラヘルツ波の放射に寄与していることを明らかにした。これらの成果により、スピンカロリトロニクスを基軸とした高効率なテラヘルツ発振現象の実現の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、磁性薄膜にパルスレーザーを照射することにより、テラヘルツ波の放射を観測し、複数の物理メカニズムがテラヘルツ波の放射に寄与していることを明らかにした。そのため、熱流とテラヘルツ領域の電磁波の相関に係る包括的な物理の解明・学理の構築が図られ、学術的意義があった。また、本研究で得られた成果を応用することにより、医療分野における可視化技術や非破壊検査、あるいは近距離通信などへの応用展開が実現されることが見込まれる。そのため、新たなデバイス創成へのパラダイムを拓くことにより、市場規模の大きな分野へインパクトを与えることが見込まれ、社会的意義も大きいと考えられる。
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