研究課題/領域番号 |
18KK0406
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 直嗣 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40380711)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2022
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | ホールスラスタ / プラズマ計測 / プラズマ揺動 / 原動機・推進 / 乱流 / 電気推進 / 異常輸送 / 擾乱 / プラズマ / 揺動 / 宇宙推進 / 光学計測 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙の推進装置にも電気エネルギーを推進力に変換する電気推進を採用する流れが加速している。その中でも単位電力あたりに発生する推力(推力電力比)が高いホールスラスタは最右翼であるが、課題もある。それは、推力電力比向上を阻害する電子の異常輸送(電子が理論値よりも拡散しやすい)の抑制である。そこで国際共同研究において、お互いの独自技術を持ち寄って計測技術の高度化に取り組む。並行して核融合プラズマの知見を組み入れて、ホールスラスタの異常輸送を記述する物理モデルを構築する。さらに、その成果を基に革新的なホールスラスタを開発し、宇宙利用の低コスト化に貢献する。
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研究成果の概要 |
CEAのDr. Dif Pradalier と協同し、揺動間の非線形結合の存在を明らかにした。さらに、特定の揺動と異常輸送の間には相関が強いことを確認するとともに、この特定の揺動と相関がみられる低周波揺動の存在を世界で初めて確認した。 CSUのProf. Azer. P. Yalinと協同して、レーリー散乱の高度化に取り組み、最小限界感度を半分に向上させることに成功した。さらに、Potable time-resolved Thomson scattering techniqueの実証実験を実施し、電離不安定性と同程度の20 kHzで変動するプラズマ密度及び温度の時間分解計測に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホールスラスタにおけるプラズマの揺らぎ(揺動)は互いに独立ではなく、相互作用していることを明らかにした。この相互作用をうまく利用することで、問題となる揺動を抑制することが可能であることが分かった。これは、ホールスラスタにおける消費電力低減のためのブレークスルーにつながり、ひいては、オール電化衛星の弱点である静止軌道までの移行期間を半分に短縮でき、日本がイニシアチブを取ってオール電化衛星への転換が一気に進み、宇宙利用コストの削減に貢献できることにつながる。
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