研究分担者 |
上村 俊彦 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (50176640)
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
杉森 直樹 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (40216338)
石川 慎一郎 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 准教授 (90320994)
磯 達夫 麗澤大学, 外国語学部, 准教授 (40438916)
小泉 利恵 常磐大学, 国際学部, 講師 (70433571)
村田 年 和洋女子大学, 人文学部, 教授 (20042624)
|
配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2009年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2008年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2007年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
|
研究概要 |
この研究は,語彙知識をサイズ,語彙構成,認知速度という3つの側面から測定し,それから英語習熟度や英語技能を推定しようとするものである。語彙サイズテストとしては,JACET8000のうちの5000語までの単語を扱い,日本語を提示して,それに相当する英語を選択する形式を用いた(J8VST)。語彙構成テストとしては,3つの英単語を提示し,そのうち最も強く結びついている2語を選択させる形式のテストを用いた(LOT)。認知速度テストとしては,無作為の文字列の中から埋め込まれている単語を見つけ出すまでの反応時間を計測するテスト(LEXATT Part1)と単語が認知できたらクリックを離すという課題でその時間を計測するテスト(LEXATT Part 2)を用いた。これら3種類の語彙テストとTOEICテストの結果から語彙知識と英語習熟度の関係を求めた。3つの語彙テストの結果から,TOEICの総合得点を予測する重回帰分析による回帰式は次のようになる。 TOEIC得点=-358.46+6.67×(J8VST得点)+8.42×(LOT得点)+0.00×(LEXATT Part1得点)+(-0.02)×(LEXATT Part 2得点) この回帰式にJ8VST,LOT,LEXATTの平均値をそれぞれ代入すると,TOEIC得点430が予測できる。しかしながら,95%の信頼区間は,-94から954と,TOEICの得点範囲をほぼすべて網羅するもので,正確な予測がなされているとは言い難い。 共分散構造分析のひとつである構造方程式モデリングによる分析では,TOEIC得点を説明する最適に適合したモデルを採用した。このモデルでは,語彙構成のテストLOTは信頼性係数αが.31と低いために,分析に加えていない。このモデルでは,語彙サイズとアクセス速度の間には,-.42という中程度の負の関係が見られ、語彙サイズが大きい学習者は、アクセス速度が速いという傾向が中程度あるという結果が得られた。しかしながら,アクセス速度はTOEICリスニング・リーデイングのいずれとも関係を持たず,語彙サイズのみがTOEIC得点を説明する語彙の側面となった。これは,語彙構成テスト,アクセス速度テストの妥当性・信頼性に問題があるためと考えられる。今後は,これらのテストの改良が課題となる。3つのテストは,http://mochvocab.sakura.ne.jp/で公開している。
|