研究課題/領域番号 |
19592276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
城戸 寛史 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (90169897)
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研究分担者 |
松浦 正朗 (松浦 正朗w) 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10089451)
渡津 章 産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (90358375)
寺岡 啓 産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 研究員 (00357542)
斎藤 尚文 産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 主任研究員 (40357059)
山本 勝己 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (70425312)
園田 勉 産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 主任研究員 (80357334)
長島 義之 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (30389415)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2010年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2009年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2008年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 歯学 / インプラント / 生体材料 / バイオテクノロジー / 骨 / チタニウム / 骨結合 / 界面 / チタンコーティング / 微細構造 / QCT / 骨密度 / チタン / コーティング / インプラン |
研究概要 |
本研究の目的は,老年性骨粗鬆症モデルおよび正常モデルにインプラント体を埋入し、その治癒過程を経時的に観察し、骨結合達成スピードを評価することであった. 本研究では、老年性骨粗鬆症のモデルとして16週齢の雄性のSAM P6マウスを使用し、その対照群として16週齢の雄性のSAM R1マウスを使用した。長さ3.0mm、先端径0.9mm、末端径1.0mmのアクリル樹脂材を歯科用表面滑沢処理剤にてコーティングし、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて表面にチタンコーティングを行い、これを実験動物埋入用インプラントとした。 インプラント体埋入28日後に実験動物を屠殺した。インプラント体が埋入されている左右脛骨を採取し、作製したインプラント体の骨結合の確認のために光学顕微鏡観察用の組織切片を作製した。 インプラント体埋入5,7,14,21,28日後に実験動物を屠殺した。インプラント体を埋入した左右脛骨を採取し、1/2 karnovsky固定液に浸漬し固定した。これらの試料とボーンミネラル測定用のファントムをマイクロQCT装置によってスキャンして骨密度(BMD)を測定した。インプラント周囲組織の状態を形態学的に観察するために、撮影後のCTデータは3次元骨形態計測ソフトウェアを用いて3次元画像に再構築した。 SAM P6とSAM R1に埋入された実験用インプラントは、埋入28日後の光学顕微鏡観察像において骨インプラント界面に新生骨が形成され、骨結合が認められた。マイクロQCTによるインプラント周囲の骨密度の観察では、インプラント表面から20μmの領域における皮質骨の骨密度に有意差は認められなかったが、海綿骨における同じ領域では埋入から14日後の実験群の骨密度は対照群と比較して有意に低かった。また、埋入14日後のインプラント周囲の海綿骨における骨密度はインプラント表面から100μmのすべての領域において骨粗鬆症モデルの骨密度は対照群と比較して有意に低かった. 本研究の結果では骨粗鬆症モデルにおいてインプラントの骨結合は達成されたが、骨粗鬆症モデルのインプラント表面に最も近い領域の海綿骨の骨密度は対照群と比較して30~40%程度低かった。すなわち、骨結合の達成において重要な時期において骨粗鬆モデルのインプラント周囲の骨密度が比較的広い領域で低かったことは、骨粗鬆症患者のインプラント治療の成績が正常者の成績と比較して不良とする臨床報告を補強するものであり、インプラント治療のリスクファクターとして考慮されるべきであることが示唆された。 骨粗鬆症モデルにおけるインプラントに最も近い領域の骨密度および骨結合達成に重要な時期の骨密度が正常群と比較して低く、老年性骨粗鬆症がインプラント治療のリスクファクターであることが示唆された。
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