研究課題/領域番号 |
19659367
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
甲村 英二 神戸大学, 医学研究科, 教授 (30225388)
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研究分担者 |
近藤 威 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (50273769)
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10379399)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | シンクロトロン / 脳腫瘍 / 放射線治療 |
研究概要 |
【目的】シンクロトロンを用いた新しい脳腫瘍の治療法として注目されるmicrobeam radiation therapy(MRT)の基礎実験を本邦で初めて行ったので報告する。【方法】高エネルギーで散乱の少ない高輝度光科学研究センターSPring-8で得られる白色放射光にコリメータを介する事により、幅25μmのスリット状X線が得られる。物理線量測定の実験とともに、C6glioma担脳腫瘍ラットに12mm×12mmの照射野に間隔200μm60列のスダレ状MRTを行い、さらに60列×60列の格子状MRTと比較した。【結果】GafChromic filmを用いた線量測定で、peak/valley ratioは157、線量はpeak doseで110Gy/秒であった。動物実験での平均生存日数は、非治療群21日、スダレ状MRT(peak1100Gy)31日、スダレ状IMRT(peak550Gy)26日、格子状MRT(peak550Gy)51日と、格子状MRTは著明な効果を示した。組織学的に、格子状MRT後の脳では、辺縁正常脳でpeak tractに一致して細胞の消失とGFAP,VEGF陽性細胞が出現した一方、腫瘍は完全に消失して腔となっており、MRTに対する反応性の違いは明らかであった。MRTが腫瘍細胞に与えるbystander効果と、MRTに対する正常血管と腫瘍血管の反応性の差異がその機序として推察された。【結論】シンクロトロンを用いる事により、高線量の放射線治療が可能となり、新たな悪性腫瘍の治療手段となる可能性が示唆された。
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