研究概要 |
本研究の目的は,保険契約を中心に公正価値測定の制度化過程について分析することである,本研究では,保険契約の会計と密接に関連する金融商品と収益認識の会計処理に関して,次の成果を得た.(1)顧客との関係の取り扱いと報告企業の信用状態の変化は,金融負債の公正価値測定を考える上で重要な検討課題である,(2)履行債務のように活溌な市場が存在しない項目を公正価値で測定する場合,モデル誤差や報告偏向誤差によって,ストック情報の有用性が低下する可能性がある.このことは,保険契約の公正価値測定においても当てはまり,公正価値測定の制度化過程を分析する際に重要な示唆を提供する.
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