研究概要 |
本研究では施設入居高齢者を対象としたグループ回想法を実施し,回想法による認知機能の効果および認知症予防における有効性を検討するとともに,質問紙調査による縦断研究から日常場面で行われる回想が心理的適応に及ぼす影響の検討を試みた。 グループ回想法は認知症の症状がない施設入居高齢者に対して週1回の頻度で8回実施した。認知機能への効果を検討した結果,約半数の参加者では改訂長谷川式簡易知能評価スケールの得点の上昇が認められたものの統計的には有意な効果は認められなかった。質問紙調査の結果からは,過去を想起することと想起した過去を語ることに異なる心理的意義が認められた。
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