研究概要 |
本研究では,反応拡散系の中でも,走化性による因子の移流を伴う三村・辻川系を扱い,その大域存在と爆発,および解のパターン形成について研究しました.解の大域存在については,空間次元が2の場合において,分泌項の増加オーダーを新たに導入することにより,これを示しました.解の爆発については,JagerとLuckhausの方法(Jager-Luckhaus, Trans.Amer.Math.Soc.329(1992))を活用し,放物・楕円型に近似できる場合にのみこれを示しました.解のパターン形成については,中心多様体理論による縮約の方法を用いて考察し,その結果,六角形パターン解が横断的に定数解から分岐し,その後分岐枝が反転して安定となることならびに,ストライプパターン解が熊手型不安定分岐を起こし得ることなどが示されました.
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