研究概要 |
1995年兵庫県南部地震において,10階建程度の旧基準RC系建物が中間層崩壊する事例が多く見られた。本研究では,中間層崩壊が生じるときの応答性状を把握することを目的として,サブストラクチャ擬似動的手法により,せん断破壊型RC柱に地震記録を入力して崩壊まで加力する実験を行った。実験変数は,建物層数を9層と3層,柱の横補強筋比を0.25%と0.42%,入力地震動を3種類,とした。主な対象は中間層崩壊する9層建物であり,最下層崩壊する3層建物を比較のために用いた。崩壊層は上から3番目の層とし,その層の構造耐震指標ISを0.4程度とした。実験の結果,崩壊層のIS値が同じ場合,3層建物の最下層崩壊よりも9層建物の中間層崩壊の方が発生しやすくより危険である,ことなどを明らかにした。
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