研究課題/領域番号 |
19H00659
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
溝川 貴司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90251397)
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研究分担者 |
岡村 英一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (00273756)
岡崎 浩三 東京大学, 物性研究所, 准教授 (40372528)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2020年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2019年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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キーワード | エキシトニック絶縁体 / 時間分解光電子分光 / 圧力誘起相転移 / 光誘起相転移 / 電子正孔相関 / 擬ギャップ / 圧力下赤外分光 / 高圧下赤外分光 |
研究開始時の研究の概要 |
エキシトニック絶縁体では、光励起されたキャリアーが電子正孔間引力を遮蔽することによる光誘起絶縁体金属転移など特異な光応答が期待されるが、その光応答は系統的に研究されていない状況である。特に、Ta2NiSe5は直接ギャップを持つエキシトニック絶縁体であり、圧力や光励起によって電子相を制御できる可能性が示唆されている。本研究課題では、Ta2NiSe5と関連物質についてフェムト秒時間分解光電子分光と圧力下の赤外分光測定を精密かつ系統的に行い、その電子・正孔ダイナミクスと光学フォノンとの結合の全容を解明する。さらに、光制御・圧力制御・原子層制御によってエキシトニック相に特有の新規な光機能開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
時間分解あるいは位置分解の角度分解光電子分光により、エキシトニック絶縁体相と付随する半金属相、半導体相の電子状態を系統的に解明した。特に、光誘起半金属相において、擬1次元的な電子面とホール面が波数空間で縮退し、ラインノード半金属状態が実現することを示した。ポンプ光の励起後50fsの時間領域では完全にバンドギャップが閉じておらず擬ギャップが残っているが、150fs程度で完全に擬ギャップが消失して半金属相に至ることが示された。圧力下の赤外分光測定については、S置換によってエキシトニック相から半導体相へと変化していく物質群において、エキシトニック相に留まる組成では圧力誘起半金属相の観測に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
励起子絶縁体Ta2NiSe5は中赤外領域に直接バンドギャップを持つ。本研究課題では、励起子絶縁体から半金属への圧力誘起相転移とパルスレーザー光による100フェムト秒スケールの光誘起相転移のメカニズムを解明した。固体物理学分野で励起子絶縁体に関連する研究が流行しつつあり、この成果は先駆的研究としてインパクトを与えている。また、層状遷移金属カルコゲナイドであるTa2NiSe5では、MoS2などのように原子層結晶によるデバイス化も期待される。デバイス化に向けた研究は未成熟な段階ではあるが、励起子絶縁体が新しいタイプの光量子デバイスへと応用される可能性を秘めていることが本研究課題によって示された。
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