エキシトニック絶縁体の光励起による制御と圧力などにより制御しての物性研究である。研究対象物質には、励起される電子と正孔の間接遷移型TaSe2、直接遷移型Ta2NiSe5を取り上げて、励起状態といえども、その励起強度で全く逆の光応答を示すことがわかっている物質にフェムト秒時間分解XPSの技術を導入して、EI相での電子・正孔ダイナミックスを探ろうとするものである。 層状遷移金属カルコゲナイドにおける光誘起のエキシトニック絶縁体(EI)相を時間分解光電子分光などの手法で研究する提案である。半世紀以上前に理論的に予言されたエキシトニック絶縁体の実現に向けて、分野をリードする研究者による研究である。電荷中性であるため、凝縮相としての詳細な性質を直接的に実験観測する手法が少なく、ブレイクスルーとなるだろう。
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