研究課題/領域番号 |
19H00778
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸 利治 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90251339)
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研究分担者 |
吉田 亮 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40548575)
鎌田 知久 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (70804194)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,630千円 (直接経費: 35,100千円、間接経費: 10,530千円)
2021年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2020年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2019年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
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キーワード | Reinforced concrete / Durability / Carbonation / Water penetration / Corrosion / Prediction / Maintenance / Water |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、既報の調査研究結果を対象とした分析および新たに実施する実構造物を対象とした調査研究により、鉄筋コンクリートの表層の剥離・剥落に対する中性化残りの影響度は極めて低く、雨水等の影響やかぶり厚さそのものが支配的な要因であることを明らかとし、中性化深さの耐久性指標としての不合理性を明らかにする。最終的には鋼材腐食とかぶりコンクリートの剥離・剥落現象を本質的に支配する雨水の浸透頻度を定量的に考慮した余寿命予測手法を構築し中性化を指標とする照査体系からのパラダイムシフトを目指す。
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研究成果の概要 |
一般的な環境下でコンクリート中の鉄筋等の鋼材腐食の進行に起因したひび割れの発生とかぶりコンクリートの剥落を予測する簡易モデルを構築した。この手法の最大の特徴は、中性化の影響によって鋼材表面近傍のコンクリートのpHが徐々に低下することによる水の浸透に起因する鋼材腐食速度の増加を定量的に考慮するところにある。これにより、水の浸透1回あたりに生じる鋼材の腐食量を一定と仮定して主に設計段階での使用を想定した土木学会コンクリート標準示方書の式よりも現実的な鋼材腐食の将来予測が可能となり、実構造物の中性化の進行状況と鋼材の腐食状況を反映した維持管理段階へのより実践的な適用が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来は、一般的な環境ではコンクリートの中性化がコンクリート中の鋼材腐食の主要因であるという認識がコンクリート工学における常識であった。しかし、本研究により、鋼材の腐食に対しては水の浸透が主たる原因因子でありつつも、鋼材近傍のコンクリートの中性化も鋼材腐食の十分条件ではないものの、工学的には鋼材腐食の必要条件であると考えるのが妥当であることが明らかになった。このことにより、中性化のみを耐久性指標として絶対視していた従来の認識を改めるきっかけを与えたことが本研究の最も大きな意義である。
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